Yasu's climbing blog

クライミングのメモ。経験・思考の掃き溜め。

富士山Zero to Summit 1

8月に入ってからというもの期末試験ラッシュとやり残したレポート、竿燈まつりのバイト、クライミングジムバイトとやたら忙しく山に入ったのは太平山旭又沢の沢登りのみ。

フラストレーションが溜まっていた。

レポートも溜まっていた...(これが一番のネックね)

 

今回の海抜0mからの富士山登頂、つまり富士山Zero to Summitは随分前から頭の中で計画していたものだった。

出発直前もやる事に追われ準備がなかなか思うように進まなかった。

だからこうして今、ビールを片手に山行レポートを書くことが出来てホッとしている。

(じゃあ片手でブログ書いてんのかっていうツッコミはよ)

 

さて、まずはなぜ富士山なのか、なぜ海からなのかという所から話を進めよう。

正直に言えば元々富士山には全く興味がなかった。

テレビや写真で見る富士山は整備されきった登山道を歩く、散歩に近いようなものスリルがない登山のように感じていたからだ。(実はそんなこともない)

それに年間登山客30万人の大衆のために開かれた山は五月蠅そうだなと思っていた。

富士山をそう捉えていた僕が登ろうと思うようになったきっかけは岳人1月号(2015年)。

特集 日本一の山富士山の中に「アルパインクライマ―佐藤裕介と駿河湾から3776mの頂へ」という記事があり、それが富士山と僕とを結びつけた。

読んだ瞬間「面白そうだ!」と心躍った。

(この記事は11月の冬富士だったけど今の僕には技術がないので夏にしました)

 

それから月日が経ち、7月。

大学の夏休みが8月から始まる。

そこでバイト先にお願いをして休みを頂くことができ、具体的な計画に入った。

参考としたのは畠堀操八さん著の「富士山・村山古道を歩く」

www.amazon.co.jp

 

そしてタクさん著のブログ「一日の王」。

blog.goo.ne.jp

こちらのブログは写真も多く、情景も事細かに書かれているため大変参考になった。

感謝しています。

 

行程2泊3日。歩行距離もだいぶある。

そこでかさばるシュラフやその他無駄に思うものは一切持っていかなかった。

1日目は街を歩くため食料と水分は歩きながら補給ということにした。

大まかな計画としては

8月18日 村山道を歩く

10時 田子の浦 着

16時 村山浅間神社 着・泊

8月19日 村山古道を歩く

5時 村山浅間神社 発

14時30分 新六合目宝永山荘 着・泊

16時 就寝

23時 起床

8月20日 富士宮ルートから登頂

24時 発

5時 山頂

7時 下山

この計画が崩れに崩れるとはこの時誰も知らないのであった...

 

8月17日

22時20分 秋田駅東口から夜行バス発。

やたら人がいる。

盆明けのUターンラッシュ

今回のバスは四列シートで肘掛すらなし。

隣の人と肩をぶつけながらバスは高速道をひた走る。

 

8月18日

6時20分 新宿駅

そのまますぐに吉原駅へと向かう

9時45分 吉原駅

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トレッキングシューズに履き替え出発。

夜行バスで足がむくんだのか、やたら足が重く感じる。

10時 田子の浦

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曇り空ではあるが綺麗な海と爽やかな風に癒される。

 

朝食を食べていなかったので吉原駅からの道中で買った菓子パン2つを食べる。

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ピント合わせる方間違えた(ピント問題はこの後も続出します)

 

10時10分 どうにか海に触れられる所がないかと当たりを見渡すが...

 

なくね???(笑)

 

海釣りをたまにする僕だが実は海に触るのが怖い。なんだか持っていかれそうなイメージがあるのだ。

そんな僕はそこら辺にある海水で出来た水溜まりを見つけて事を済ませようと思いつく。

「(ペロッ)うん。しょっぱい。海水だ。」

そして足を付けようとしたその瞬間...

テトラポッドの間から波打つ海水を発見!

 

無事に足を海水に着け、Zero to Summit開始。

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こっからはずんずん歩く。

しかし、やたら蒸し暑い。

汗が噴き出る。

このままだと水分が足りなくなりそうなので車で移動販売をしている売り場でスポーツドリンクを購入。

88円。安い!

もっと買っておけばよかった。

頑張ってねとおじさんとおばあさんたちに励まされ再び歩き始める。

 

一応富士塚にも立ち寄った。

お賽銭を投げ入れ、無事登頂下山できることを祈る。

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国道に出た所にあるサンクスでたばことレッドブル、帰りの夜行バスの支払いを済ませながらずんずん進む。

 

生憎の天気で富士山は姿を見せず。

しかしその分目の前の景色に集中できる。

 

街に親しまれる富士。

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二度目の線路を超え、

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商店街を歩く。

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時折標識がある。

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12時10分 上の標識を曲がったところにある店で昼食をとる。

この時食欲は無かったがバテを感じ、お腹に何か入れなければと思い焼きそばを注文。

お、重い...

しかし、うまい。

デザートに富士市の学校給食で人気だという噂のサイダー寒を食べる。

シュワシュワであっさりした味でバテた体には嬉しい。

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なかなか評判のお店なのかな?

 

美味しいものを食べて元気が出たところで出発。

しかし直後、市の進めている富士山3776ルートの一環でところどころに立っている標識に惑わされ道に迷う。

地図を見てどうにか復帰しようとするがさらに迷う。

 

電柱をよく見ると「千代田町」....。

だいぶ西に来てしまったようだ。

ここで冷静になりコンパスを取り出す。

街でコンパスを使うことになるとは。

 

ようやく復帰し広見公園をくぐり、川を渡る。

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そこで大きなザックを背負う人と出会う。

北九州から来たというリュウさん。

彼もまた村山古道から富士登頂を目指す一人であった。

その大きな荷物はどうやら富士登頂後、麓で行われる矢沢永吉のライブに参加するためにテントやらタープやらいろいろ持ってきたんだとか。

しかしリュウさん、コンパスを持ってきていないという。

しかも登山はあまり経験なし。

心配だということで翌日も新六合目まで共に行くことに。

 

それから少し歩くとようやく1つ目の石碑。

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ここまで来ると続々と石碑に出くわすようになる。

 

 

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十字路を渡った所に市場も。

入ってみたがこれといって買うものはなかった。

ただ小魚の干したものは今夜の晩酌にいいだろうなと思い買おうとしたがザックに入れるのも億劫なので買わずにスルー。

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前を歩くリュウさん。

ザックが重そう...。

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静岡といえば茶畑。

間々にある間隔がまた綺麗で見とれる。

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予定では16時着であったが結局18時に村山浅間神社着。

随分と遅れてしまった。

 

しかしそれが幸いしてか月に1度行われているという神社の儀式に参加させてもらえることに。

この村山浅間神社は神社でありつつ仏教も信仰している稀な神社なんだそう。

(無教養な僕にはあまり詳しく語れない)

そのためお経を唱えホラ笛を吹くような儀式であった。

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荘厳な仏像がいっぱい...。

 

なんだか無事登頂できそうな気がしてくる。

 

その後食事をして就寝。

なのだが、登山慣れしていないリュウさんはいつまでたっても寝る気配なし。

22時30分 やっと就寝。

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長い長い一日だった。

明日はどんな一日になるだろうか。

不安も抱え、床に就く。

 

 

yasublog.hatenablog.com