富士山Zero to Summit 2
富士山Zero to Summit 2日目
この日は村山古道の登山口である村山浅間神社から富士宮口ルートの新六合目まで歩く。
説明を忘れていたが村山古道とは約100年前まで使われていた登山道である。
なぜ使われなくなったかというと今現在ある富士宮口ルートが開かれてから歩く人がいなくなったからだ。
そして近年有志によって復活したというわけだ。
ただ、復活といっても未だ道がわかりづらく迷いやすいという。
果たして無事新六合目までたどり着けるのか...。
ちなみに村山道とは田子の浦から村山浅間神社までの事を指し、使い分けている。
8月19日
4時 起床
多少寝不足。
起きてすぐに朝食の準備に取り掛かる。
...はずなのだが、昨日リュウさんにコッヘルを貸したため米を炊けない。
仕方がない...。起こすか...。
爆睡をする人を起こすのには気がひけるが、リュウさんを起こしコッヘルを返していただく。
5時30分 少し遅れてしまったが大体の準備が整いぼちぼち出発...
したいのだがリュウさんがまだ寝起きモードで準備整わず。
置いていくぞ...。
コーヒーを淹れ、一服しながら待つ。
結局出発は7時近くに。
こりゃ新六合目に着くのは完全に16時過ぎるな...。
パラパラ雨も降り始める。
歩き始めて少しすると村山古道の標識が出てくる。
いい雰囲気の道。
倒木が面白い。
※若干のピンボケ問題
ゼルダの伝説の森の神殿を思い出す。(わかる人にはわかる)
なんて花だろうか?
凛として可愛い。
この先一度車道に出ると村山口登山道案内図がある。
ここで左側を仰ぐと富士山が見える。
デカい。デカいぞ富士山。
今まで雲に隠れていただけにここに来て「これを登るのか...」と威圧感を感じる。
ここに来て雨は完全に止む。
また少し行くと標識が。
そしてその道を見て素直に思ったことは、
...え、これ道?(笑)
藪じゃん(笑)
案の定藪、藪、藪。
これを進むと行き止まりのような場所に行きつく。
2メートル程上がる急斜面を登り辺りを散策してみる。
道はどこだ...。
すると蜂が突然襲ってきて逃げ回る僕。
頭にガンガンぶつかってくる蜂。ビビる僕。
東に20m程の道があるのでそっちの方に走って逃げる。
すると、「あ、古道あった。」
まさか蜂に襲われたおかげで迷わずに済むとは...。
この鎖を越えてずっと道なりに進む。
すると標識がまた出てくるので標識に従って進む。
段々と道は険しくなり、左右に1mほどの段差に囲まれたような道になっていく。
歩いていて思うのは作業道が多く複雑に入り組んでいるということだ。
間違えて作業道に入らぬよう気を付けながら進まねば。
途中車道を超え、整備された林を歩く場所も出てくる。
コンパスを取り出して方角を確認。
北東。よし、この道であってそうだ。
歩いていると、所々山岳会の名の入った木が打たれている。
どうやらこの道であっているようだ。
そのように確認に確認を重ねて歩く。
間違えないように、間違えないように...。
すると突然三股に別れる分岐に差し掛かる。
どれを行けばいいのか。
今までの道を見てきた限りどれを行っても最終的には合流するだろうと判断し、歩きやすそうな道を選ぶ。
ずんずん進む。
ずんずん歩く。
そして異変に気づき始める。
...なんかゴミが増えてきたような...。
...なんかタイヤとか捨ててあるんだけど...。(ここで樹海を想像する)
この先人が捨てられてたりしないよね...???
するわけないよね...???
ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
はい、動物の骨でよかったっす...。
そんで、道、間違えたっぽいっす...。
10時30分 昼食を食べつつ現在地を確認してみる。
地形で読んだ限りだと、少し西側に流されているようだ。
迷った際はわかる場所まで戻るのが鉄則であるが、現在地もわかる事もあり、歩きやすそうな場所を見つけて東に寄って行く作戦にでる。
すると登山道っぽい道に差し掛かる。
よし、復帰できた。
そしてまた登っていく。
...あれ?なんか違くね????
なんと、この道作業道だったのだ。
こりゃ完全に道を失ったな。
リュウさんに謝りつつ、やはりバリエーションルートで東に寄りつつ登ることにする。
時には作業道を歩き、獣道をお借りし、藪漕ぎをしながら徐々に徐々に東へ。
すると山の村を超えたあたりにある遊歩道に出る。
少しこの遊歩道を歩くと西臼塚駐車場の文字があり、ついに復帰できる見込みが出てくる。
その遊歩道で地元の人にすれ違ったので村山古道について聞いてみることにする。
おじいさん「浅間神社~富士スバルラインまでは事に難しい!わしも未だ迷う!!」
僕「(地元の人も迷うんかいっ!)」
しかし聞くところによると、富士スバルラインを超えてからは道がわかりやすくなるようだ。
そうとなれば早く村山古道に復帰し早く新六合目まで行きたい。
リュウさんの調子も見つつ、休憩しながら歩いていく。
西臼塚駐車場に出てからは富士スバルラインに沿って登っていく。
途中ガイドの人が声をかけてくれた。
ガイド「道に迷っちゃった?ここから下の古道はわかりづらいですから。ガイドの中でも道を理解できている人ほとんどいないんですよ(笑)」
そりゃおれも迷うわ。
15時 そうこうしながら村山古道に復帰。
少し登ると苔のアート。
すばらしい!!
16時30分 200m高度を上げるともう一度富士スバルラインに出る。
ここでリュウさんと別れ、一人で歩くことに。
やっぱり、一人で歩くのはペースが乱されなくて気持ちがいい。
17時 木々の墓場のような、なんとも不思議な雰囲気の場所に出る。
18時 旧二合目跡 着
辺りは薄暗くなってきている。
このまま行くか、ここでビバークか。
既に行動時間11時間。暗くなっても冷静に歩ける状態じゃなさそうだ。
ビバークを決意し、持ってきた防寒具全てを着こみツェルトを被って就寝。
道を間違えた事を加味しても、一人で歩いていればとっくに新六合目で暖かい布団に包まれ寝ている時間。
自分の優しさに悲しくなった。
まあこれも何かの巡り合わせだったのだろう。
18時30分
静寂の富士で、眠りにつく。